シミ改善や美白効果だけでなくニキビやアトピーなどの肌荒れにも効果的といわれるプラズマシャワー機器。今回は、エステ用プラズマシャワーを導入する前に知っておきたい注意点と、プラズマシャワーにおすすめの美容液成分をご紹介いたします。
目次
プラズマシャワーとは?
画像引用元:Dr.Visea
業務用プラズマシャワーは別名プラズマミストとも呼ばれ、プラズマと呼ばれるイオン化させた気体をお肌に照射し皮膚の再生を促進する美肌治療機器です。
従来のレーザーとは異なりプラズマシャワー(プラズマミスト)は血液や表皮組織にダメージを与えることがないため、皮膚疾患の治療、ニキビの原因となるアクネ菌の滅菌、皮膚の再生や色素の沈着改善、弾力性向上などが期待できます。
プラズマシャワーの特徴
画像引用元:Dr.Visea
電気の反発力を利用して肌内部に薬剤を浸透させるイオン導入は、イオン化できない美容液や分子の大きい美容液を肌に浸透させることはできません。
一方、プラズマシャワー(プラズマミスト)は照射と同時に薬剤を注入することができるため、肌の深部まで美容液や薬剤を浸透させることが可能です。薬剤を導入するメニューとして人気のイオン導入に比べ、プラズマシャワーの美容液の浸透率は120倍となっています。
プラズマシャワーの効果
プラズマシャワーの主な効果は以下の通りです。
- シミ改善
- 美白効果
- くすみ改善
- 毛穴の開き改善
- 肌代謝アップ
- ニキビ・ニキビ跡の改善
- 美容液や薬剤の吸収率向上など
▲肌荒れ・ひび割れ(照射1回)
▲ニキビ(照射4回)
▲頭皮の荒れ
画像引用元:Dr.Visea
プラズマの高い滅菌能力は、アトピー性皮膚炎や花粉皮膚炎による肌荒れや顔全体の赤みに効果的で、ニキビやニキビ跡のクレーターなどの毛穴悩み、ほうれい線や小ジワなどの症状を改善できます。また、メラニンを作り出すメラノサイト(色素細胞)の活性化も抑えることができるため、くすみやシミ改善も期待できます。
業務用プラズマシャワー導入前に知っておきたい3つの注意点
画像引用元:Dr.Visea
プラズマシャワーは皮膚細胞を切り離して隙間を開けることで美容液の浸透率を高めることができますが、一方で浸透率が高くなったお肌に化粧品の防腐剤や残ったピーリング剤やクレンジング剤も美容液と同時に導入されてしまうという危険性があります。
アトピーや皮膚の垢切れなどデリケートなお肌にも効果的なプラズマシャワーなだけに、敏感なお肌への配慮が必要です。
1:化粧品の防腐剤に注意
化粧品は薬事法により「3年を超えて性状及び品質が安定なものでなければならず、3年以内に変質する恐れのあるものは『使用期限』を表示しなければならない」という規定があります。つまり、化粧品はそのままだと腐りやすく、化粧品の容器の中で細菌が繁殖して腐ってしまうことを防ぎ、長期的に安全に衛生的に使えるようにするため防腐剤が混ぜられています。
【化粧品に含まれる防腐剤例】
- 微生物やカビに対して効果的な「パラベン」
- 微生物の増殖を抑える働きがある「安息香」
- 菌の成長を抑制する添加物で防腐性が高い「デヒドロ酢酸ナトリウム」
- さまざまな微生物に対して抗菌作用がある「ヒノキチオール」
- 大腸菌、サルモネラ菌などグラム陰性菌を抑制する「フェノキシエタノール」
このような防腐剤はプラズマシャワーによって浸透率が高くなったお肌に使用することで、思わぬ副作用をもたらしてしまう危険性があります。
プラズマシャワーを照射したお肌に美容液を導入する際は、天然成分から抽出されている美容液、無添加のものを選ぶようにしましょう。
2:化粧品の香料に注意
化粧品に使われる香料は、化粧品に香りをつけるための成分で有機化合物の集合体です。一般的な化粧品に使われる香料には主に2種類あり、それぞれ特徴が異なります。
- 合成香料…化学的に合成された香料。香りの原料は、天然原料、石油・石炭系原料、化合物など。香りが強く、持続性が長い。(アセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒドなど)
- 天然香料…自然界の花や草木、果実や動物などの動植物からつくられる香料。アレルギー反応に注意。(ローズ、ジャスミン、ジンジャー、ユーカリなど)
プラズマシャワーを照射したお肌は従来のお肌に比べ美容液導入率が大変高まることから、香料に含まれる成分にも注意が必要です。
合成香料は化学反応によって生成されているので、使いすぎてしまうと体内に大量の化学物質を取り込んでしまい頭痛やアレルギー症状などといった健康被害を引き起こし、化学物質過敏症を誘発してしまう可能性がありますので注意しましょう。
また、天然香料を使用している化粧品を使用する場合には、スギやヒノキのようなアレルギー反応を引き起こす成分が入っていないか事前に確認するようにしましょう。
3:同時施術するメニューに注意
プラズマシャワーの高い美容液浸透率をさらに高めるため、肌の表面にある古い角質や余分な角質を取り除くためのピーリング液剤を使用した毛穴洗浄を同時に施術するケースもあります。しかし、ピーリング剤が微量でもお肌に残った状態のままプラズマシャワーを照射してしまうと、ピーリング剤までもが皮膚深層に浸透してしまうリスクがあります。
プラズマシャワーと同時に毛穴ピーリングを行う場合には、ハーブや海藻などの植物由来の成分を配合したハーブピーリングなど、お肌に優しいピーリング剤を使用するようにしましょう。
業務用プラズマシャワーにおすすめの美容液成分4選
プラズマシャワーは、目的に合った成分を浸透させることであらゆる肌悩みにアプローチが可能です。本章では、プラズマシャワーとの併用がおすすめの美容液成分をご紹介しますので、美容液選びの参考にしてみてください。
1:ビタミンC誘導体APPS
画像引用元:進化型ビタミンC誘導体APPS(アプレシエ)とは?
ビタミンC誘導体のひとつであるAPPS(アプレシエ)は、肌荒れやたるみなどの様々な肌悩みに働きかける美容成分です。角質層への透力にも優れ、その浸透力は水溶性ビタミンC誘導体の約100倍ともいわれています。また、ビタミンC誘導体はしみやくすみの原因であるメラニンにアプローチしたり、肌めぐりをサポートしてキメを整えたりする効果があります。
【効果】
- 肌トラブルの原因である活性酸素を除去
- 光老化を抑制する
- 毛穴を引き締め、皮膚のキメを整える
- メラニンの生成を抑制し、シミ・くすみに働きかける
- コラーゲンの合成を促進するエイジングケア効果
- 皮脂の分泌をコントロールする作用によるニキビ予防
- 抗酸化作用による紫外線などのダメージ軽減、肌キメの整え
- 皮脂腺の働きを抑制による毛穴引き締め、ニキビ予防・改善
- コラーゲンの生成促進によるシワ改善
- エイジングや紫外線によるコラーゲンのダメージをブロック
- 肌のハリUP
2:コラーゲン
コラーゲン美容液は、乾燥やハリ不足に悩む肌におすすめです。コラーゲンによる保水効果で日々肌の乾燥を防ぐことで、表皮のバリア機能が整えることができ、コラーゲンを産生する線維芽細胞も働きやすくなります。
【効果】
- 肌の乾燥を防ぐ
- 肌にハリとツヤを与える
- 肌のバリア機能を高める
- 肌全体の環境を良くする
- コラーゲンを産生する線維芽細胞の働きを良くする
3:ビタミンE誘導体TPNa
画像引用元: ビタミンE誘導体「TPNa®」
ビタミンE誘導体のTPNa(トコフェルリルリン酸ナトリウム)は、肌に塗布すると素早く皮膚内に浸透していき、優れた抗酸化作用・抗炎症作用を発揮します。ビタミンEには強い抗酸化作用があり、活性酸素の働きや皮膚の炎症やDNAの損傷を抑制するため肌荒れ・乾燥肌・アクネなどから皮膚を守ります。
【効果】
- 肌荒れ防止
- 活性酸素の除去
- 保湿効果
- 水分保持機能
- 抗炎症効果
- 抗酸化作用
- 乾燥や肌荒れ、シミ・シワ・たるみなどの原因となる活性酸素を取り除く
- 紫外線などのダメージに負けない肌
4:ヒト幹細胞培養液
画像引用元:幹細胞コスメを正しく知るための9の質問
ヒト幹細胞培養上清液は、脂肪由来の幹細胞を培養し幹細胞を取り出して減菌処理などを行った上澄み液です。上清液には幹細胞が増殖する際に分泌される成長因子、免疫調整因子、エクソソーム、抗炎症因子、神経再生因子など500種類以上のサイトカインが豊富に含まれているといわれています。
【効果】
- 肌のターンオーバーが正常化
- 肌の弾力やハリUP
- 肌の乾燥やシワ、たるみ、シミ、くすみ改善
- クマや小じわ改善
- 皮膚が引き締まり、毛穴が目立たなくなる
- 毛穴の開きや黒ずみ、ほうれい線の改善
- 育毛効果
- ニキビ改善
まとめ
今回は、エステ用プラズマシャワーを導入する前に知っておきたい注意点と、プラズマシャワーにおすすめの美容液成分をご紹介しました。
プラズマシャワーは、ニキビやニキビ跡のクレーターなどの毛穴悩み、ほうれい線や小ジワ改善やくすみやシミ改善が可能です。
また、プラズマシャワーの高い殺菌力は、アトピー性皮膚炎や花粉皮膚炎による肌荒れや顔全体の赤みに効果的です。そのため、敏感肌のお客様に施術するケースも多い施術になります。イオン導入に比べ120倍の美容液浸透効果が期待できるだけに、使用する美容液化粧品の防腐剤や香料、毛穴洗浄に使用するピーリング剤などに注意が必要です。
プラズマシャワーで使用する美容液や毛穴洗浄で使用するピーリング剤については、その安全性について必ずメーカーに成分やリスクを確認しておくようにしましょう。